東京プライドパレードに参加して、思ったこと。

krff2007-08-11



8月11日土曜日、
東京は代々木公園から出発して
渋谷と新宿の間をぐるり一周する
「東京プライドパレード」に
レインボー映画祭実行委員長のおうじと
ぼく副実行委員長のquが
参加して来ました。





言うまでもなく
「東京プライドパレード」とは
セクシュアルマイノリティの当事者が
その
社会的な権利を求めて行進するもの。


当事者やその親近者、
或いは
意志に賛同する人々
4000名ほどが参加する
日本でいちばん規模の大きいパレードです。





ぼく自身、
パレードというもの自体に参加するのは2回目で、
しかも
東京のパレードに参加するのは
初めてのことだったので、
期待に胸をふくらませながら
参加しました。


愉しかったです!


そこいら一帯が
大量のゲイに溢れかえっていて、
一生分のゲイを見てしまった気分(笑)


カップルで参加している人たちを横目で眺めながら、
微笑ましくもあり
また
羨ましくもありました。


いつかはぼくも
「パートナー」と呼べる相手と
参加したいものです。





今回、
パレードのゲストに来ていたのが
ゲイから熱い支持を受けている漫画家
西原理恵子さん。


ぼくはめちゃくちゃ
彼女のファンなので、
オープニングセレモニーの後
ちゃっかり
サインをもらっちゃいました!


しかも、
2ショット写真まで撮ってもらう
抜け目のなさ……


これが
恋人探しにも発揮されたら
言うことなしなんだけども(苦笑)





ステージでは
イベントプログラムが目白押しで、
HIVに関するシンポジウムや
ゲイのブラスバンドによる生演奏、
そして
青年の主張まである
充実ぶり。


すっかり
堪能しました。





ぼくらは
「可視化」をテーマにした第1のグループに並びました。


映画祭のポスターを台紙に貼り付けて、
ボードを作りました。


裏には
手描きのメッセージ。


「四国にもLGBTは存在します」(おうじ)
「香川でもLGBTの映画祭やってます!9月23日観に来てね!!」(qu)


といった具合に。


ふたりだけでの参加だったので
どれくらいの人に伝わったか判りませんが、、
時々
反応してくれた人が居ました。


「同郷なのかな?」と
思いをはせつつ。





パレードは
炎天下の中
無事終了。


クロージングセレモニーには
政治家の福島みずほさん、
残念ながら当選はしなかったのですが
先の選挙でレズビアンであることを公言して立候補していた尾辻かな子さん、
性同一性障害であることを公言して立候補し
第2位の得票数で世田谷区議会議員を再選した上川あやさんなどが
演説をしました。


特に…


昨年のレインボー映画祭にも駆けつけてくれた
尾辻かな子さんの話には
泣きました。


落選はしたけれど、
再挑戦を示唆する
力強い言葉。


聴衆からも
激励のリアクションが上がりました。


それはそれは
感動的な演説で……





セクシュアルマイノリティであることを公言することは
まだまだ
リスクが大きいのでしょう。


色々な生き方が認められて然るべき時代にも、
水面下ではやはり
無理解や誤解が横行しています。


『等身大のわたしたちを
 まっすぐに伝えたい。』


パレードや映画祭をする意味は
そこにあります。





わたしたちの
「香川レインボー映画祭」も
今年で3年目を迎えます。


1回2回と
都会の映画祭をお手本にしながら
試行錯誤をくり返しました。


そして3回目の今回、
地方ならではのやり方をより意識的に打ち立て
プログラムへと反映させました。


吉と出るか凶と出るか……
こればかりは
やってみないことには判りません。


それでも
決断したことについては全力で
取り組んでいるつもりです。





地方の行政に関しては皆
口をすぼめて
『保守的である』と形容します。


けれども
ほんとうにそうでしょうか?


最初からあきらめては
いないでしょうか?


変えていくのはいつも
県民であるわたしたち自身です。


どんな小さなことからでも
波は作り出せるはずです。


しかし、
それは必ずしも
直接的なシュプレヒコールでなければならないというわけではありません。


「同性愛」や「性同一性障害」をテーマに取り上げた映画を観て、
すこしだけ
わたしたちのことを知ってもらう。


それだけで、
何かが変わることもあると
ぼくは強く
信じています。





ありがたいことに今回、
わたしたちの映画祭を後援してくれている機関のなかに
香川県」や「高松市」「高松市教育委員会」も
名前を連ねてくれました。


これはひとえに
『正しい理解を広めることに必要性を感じてくれている』がゆえです。


素晴らしい!





どんな生き方をしてみたところで、
人間は
ひとりきりでは生きていけません。


時には支え、
時には支えられて生きていくのが
『人』というものの
本質です。


だからこそ、
その『違い』を認識するところから
全てのことを
始めていきたいと思うのです。


わたしたちの映画祭を通じて、
ひとりでも多くの方が
そんな生き方を選べますように。





東京滞在中は
お祭りをしていた
新宿2丁目にもくり出しました。


ひとりで行ったので
ものすごく手持ちぶさただったのですが、
ふいに
ぼくを呼び止める声がありました。


……驚きました。


何と、
数年前に
個人ホームページを通じて交流していたゲイの友達が、
ぼくの顔をちゃんと覚えていてくれて
声をかけてくれたのです!


何年か越しの初対面。


その彼のおかげで、
ものすごく充実した時間を
過ごすことができました。


これぞまさしく
人の『縁』ですね。





「マイノリティ(少数者)」という言葉を
人は
否定的に捉えがちです。


しかし、
マイノリティであるがゆえのメリットというのも
確かに
あるのです。


わたしたちの映画祭も
願わくば
そういうものでありたいと、
切に
思っています。


by qu