大木裕之氏との10年。縁。

krff2008-09-01


quです。

昨日は、映像作家の大木裕之氏と会いました。

今年は残念ながら取り上げられなかったのですが、ぼくらの映画祭では、昨年の第3回まで毎年、大木氏の映像作品を取り上げていました。

というのも、彼は毎年、8月末の10日間ほど香川に滞在し、そこで出会った人や自身の周辺で起った様々な出来事をヴィデオカメラに記録、それを編集して作品化するという作業を、ここ10年の間ずっと続けているのです。

そのきっかけとなったのは、1998年。香川県芸術祭の一環であった「せとうち映像祭」で行われた大木氏の映像ワークショップでした。

一般公募で集まった参加者が、めいめいにカメラを抱え、即興で撮影をする。そこに、大木氏の演出やハプニングが加わることで、撮影される映像が非日常の様相を呈す。それを素材に出来上がった作品は、ストーリーのある作品ではなく、ドキュメンタリもしくは現代アートよりの映像作品。

その次の年からは「せとうち映像祭」からも独立し、大木氏を慕う有志が集い、香川での撮影は続いていきました。

そうして今年はなんと、記念すべき10周年。その区切りとなる、夏。

10年前のワークショップで知り合った友人が、ちょうど絵の個展をしていたので、大木氏とともにその会場へ。

すると偶然にも、かつてのワークショップに参加していた仲間たちも何人か来ていて、ちょっとした同窓会みたくなりました。

何だかとても、感慨深かったです。

画像はその時に撮った記念写真。

ぼく自身が何故「香川レインボー映画祭」に関わっているのかというと、ゲイであるということもやはりひとつあるんでしょうが、それ以前に、人との縁というのがほんとうに大きいなと、こういう時ふいに思い知らされるのです。

10年前のあの日、ぼくは大木裕之氏に出会えていなければ、ここでこうしてこの日記を書いていることはなかったでしょう。

ぼくらの映画祭も、願わくば、人と人の縁を結びつけるものでありますように。

映画という枠を越えて、誰かの人生と誰かの人生が交差する、そういうイベントになりますように。

そんなふうに、思います。