ドキュメンタリ映画「ハーヴェイ・ミルク」の上映とトークセッションがあります!

ブログ担当のquです。

みなさんは「ハーヴェイ・ミルク」という名前をご存知でしょうか?アメリカでは学校の名前になったりしているくらいなので、どこかで聞き覚えがあるという人も居るでしょう。



ハーヴェイ・ミルクは、アメリカ・カリフォルニア州に実在した権利活動家です。彼は1977年、自ら同性愛者であることを公表した上でサンフランシスコ市の市政執行委員に選ばれました。

当時はまだ、同性愛者にとっては生きづらい時代です。彼が擁護した事件のなかにも、同性愛者であるという理由で学校の教職を不当に解雇されたというものがありました。

そんな時代にミルクは、同性愛者であることを公表して当選したわけですが、しかし彼は何も同性愛者の権利獲得だけに固執していたわけではありません。移民の国といわれるアメリカに在った、ありとあらゆるマイノリティの人々を擁護しようとしていました。人々はその点を高く評価したのでしょう。

しかし、就任からほどなくして、同僚委員のダン・ホワイトにより射殺されてしまうという、悲しい結末を迎えることとなります。

ちょうど今年の春から夏にかけて、そのミルクの人となりを描いた劇映画が、日本でも公開されます。タイトルは「ミルク」。あの有名な映画監督ガス・ヴァン・サントがメガホンを取り、アメリカでは2008年に公開され話題を呼んだ作品です。この映画でミルクを演じたショーン・ペンが、本年のアカデミー主演男優賞を獲得したことも、みなさんの記憶に新しいかと思います。

ぼくらのプレ映画祭で取り上げるのは、劇映画「ミルク」の方ではなく、実際のミルクの映像を編集して制作されたドキュメンタリーの方です。この作品はしかし、その完成度の高さから、「ドキュメンタリー映画史上不朽の名作」とまで言われています。

何年か前の映画祭候補作品として、スタッフ一同もこれを推薦していました。しかし、話し合いの結果、政治ものを扱うのはまだ早すぎるという理由で、保留されていた作品のひとつです。「レインボー映画クラブ」としてe−とぴあの文化祭に参加するお誘いがあり、今回ついに上映する運びとなりました。

アメリカでは、史上初の黒人大統領が就任した2009年。彼らが標榜しているのは、多様性。今でこそよく聞かれるこのことを、ミルクはとうの昔に実践しようとしていました。そして、志半ばに倒れてしまったのです。

しかしその遺志は、たくさんの人々に希望を与えました。ニューヨークタイムズ誌では「20世紀の100人の英雄」として、ハーヴェイ・ミルクの名を挙げているくらいです。

今回の上映会では、映画上映後にトークセッションも開かれます。ゲストは、トランスジェンダーであることを公表して、ラジオや新聞のお仕事をされているANNRIさんと、四国学院大学社会福祉学部准教授で、ジェンダー学(男性学)やセクシュアリティ論を専門に扱っている大山治彦先生。

『「多様であること」が前提の社会へ』と題して、ミルクの目指した理想の社会についてお話ししていただく予定です。どうぞお楽しみに。

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■映画「ハーヴェイ・ミルク」上映とトークセッション 〜「多様であること」が前提の社会へ〜■

●日時:3月22日(日)14時より
●場所:e−とぴあ・かがわ
●入場料:無料(先着140名様)
*このイベントは、「e−とぴあ文化祭2009」に於ける、レインボー映画クラブ主催行事です。レインボー映画クラブとは、e−とぴあ・かがわでの香川レインボー映画祭実行委員会のクラブ登録名です。